現在、日本の漫画・アニメ・テレビゲーム・電子商品など、日本の文化・商品が世界中で流行しているが、アジアでも例外ではない。日本国内において大衆文化として広く普及したものが、アジアや世界に向けて爆発的に伸び、受け入れられている。アジアにおける日本大衆文化の普及は、日本大衆文化のグローバリゼーションの一つの側面の表れであり、世界の文化の重要な一部分を占めるようになった。
日本国内での大衆文化の広がりがあって、次にその日本大衆文化がアジアや世界に向けて広がっているが、日本では大衆文化をアジアや世界に向けて発信しているのではなく、自分たちの流行物として広がっている。日本には他のアジアの国には見られない大衆文化の広がりがあると考えられるが、その背景には以下の要因が考えられる。
①映画・ドラマ・音楽・アニメーション・キャラクター・ゲームは(富を生む)立派な文化コンテンツである。
②日本は携帯電話でのインターネット利用が普及しており、携帯電話によるメールの送受信やサイト閲覧ができる世界の追従を許さない「ケータイ文化」が発達している。
③テレビ・携帯電話に代表される通信メディアの利用方法の多様化。
日本における現代の携帯電話の普及は、20世紀の電話、テレビ、コンピューターの普及と並んで、新しい通信革命の一つとして、日本のみならず多くの国の社会に、大きなインパクトを与えつつあります。日本における携帯電話の普及は、単に新しい通信メディアが日常生活、経済活動に浸透するという現象ではなく、そのことによって、日本には、新しいタイプの文化—ケイタイ文化—が発展しつつあると理解しています。なぜ、日本ではそうなのか、その背景を色々な観点から分析したいというのが、現在の問題意識です。
また、通信メディアの使用に伴うドラマ・キャラクターなどの文化、「ケータイ文化」は、日本ではすでに当たり前となり、習慣となって、世界の追従を許さないところまで発展している。しかし、今のところ諸外国ではそうした習慣を受け入れるに至っていない。通信インフラが十分に整備されていないこともあるが、日本大衆文化が世界に広がっていることを考えたとき、インフラの整備だけでない、日本人の大衆文化の形成のありようが、他国にない独自の文化をなしていると考えられる。
そこで、大衆文化とはメディア(通信メディア)によって可能になった文化であるとの視点に立ち、マスメディアを媒体に、大衆文化がどのように形成されていくのか、今日的特長を研究しながら現代及び将来の日本の文化やそれに囲まれた人々の意識の構造を分析したい。
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