2007年12月29日土曜日

「国のない男」(カート・ヴィォネガット)



















2007年の4月11日、カート・ヴィォネガットが他界した。「猫の揺り篭」、「プレイヤー・ピアノ」等、アメリカ文学を代表する著者である。独特な世界観の中で紡ぎ出される言葉の一つ一つが、心に突き刺さって来る、そんな作家に思われる

この著者最後の著作は、「国のない男」である。一文、一文読み進め度に、ちょっとひねくれた笑いが出たり、何だろう…考え込んでみたりするのではくても、面白くもないアメリカンジョーク?軽妙だが深刻、おかしいが悲しい、荒唐無稽(こうとうむけい)っぽいが妙にリアル。ヴォネガットの小説は、複雑にして単純な人間の姿をみごとに描き出してきた。エッセイにしてもまたしかり。

も「ああ、カート・ヴィォネガットだなあ」となんだか妙に優しい気持ちになってしまう。

最後に本書の中にあった言葉を書きたいと思う。「変わった旅の提案― 神のところに踊りレッセンを受けに行ってはどうだろう。」
 
今頃、カート・ウオネガットは神のところに踊りレッセンを受けに行っているかもしれない…

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